家のリフォームは、誰もが期待と夢を抱いて臨むもの。しかし、時にはその期待が大きな悲劇へと変わることもあります。今回ご紹介するのは、ある有名なリフォーム番組で起こった「失敗事例」です。
最初に紹介するのは、「アキレス腱を切る家」として知られる不幸なリフォーム例です。この家は、もともと傾斜地に建っており、家の中に大きな段差があるため依頼者がアキレス腱を切るという事故が起きたことから、この不名誉な名前がつきました。依頼者は当然、この危険な段差をなくしてほしいと番組に依頼し、2,100万円もの大金を投入しました。しかし、リフォーム後も段差は残され、さらに奇妙なことにその段差が収納スペースとして使われる形に改造されていたのです。
これに依頼者は激怒し、リフォームの調査を行ったところ、なんと家の品質がリフォーム前よりも悪くなっていることが判明しました。耐力壁や断熱、防火性能が著しく低下し、依頼者は最終的に番組を訴えるに至りました。大金をかけた結果、欠陥住宅が出来上がったという、この事件はまさに「大改悪」の典型例と言えるでしょう。
次に紹介するのは、フランス・パリで行われたリフォーム事例です。この家は、築150年の古いアパートで、親子5人が狭いスペースで暮らしていました。依頼者の希望は「もっと広々とした家で家族がのびのび過ごせる空間」を作ることでした。しかし、リフォーム後に登場したのは、なんと巨大な円形ソファーでした。
ソファーが部屋いっぱいに広がり、逆に家族の居住スペースが狭くなってしまいました。視聴者からは「部屋がさらに窮屈になってしまった」「こだわりすぎて生活がしにくい」との声が上がり、失敗例として語り継がれることになりました。
3つ目の事例は「見晴らしの丘」という名前がつけられた庭のリフォームです。依頼者の希望は、手入れのされていない庭を安全で美しい場所に変えること。しかし、完成したのは廃材で作られた巨大な山でした。この山の中には庭から出た廃材が詰め込まれており、その上に芝が敷かれていました。
ネット上では「ゴミをただ積み上げただけではないか」と批判が殺到。依頼者の子供がその山に寝転んだ姿が映されると、安全性を心配する声も上がりました。150万円もの予算を投入した結果がこの「ゴミの山」となってしまったのは、あまりにも残念です。
4つ目の事例は、カフェ好きの依頼者のために行われたリフォームです。依頼者の趣味であるカフェ巡りにちなんで、匠が「カフェ風インテリア」を目指してリフォームを行いました。リフォームそのものは成功で、依頼者も喜んでいたのですが、問題は最後に登場した「カフェ某(カフェ〇〇)」というタイルアート。
これがネットで「おばあちゃんの家のお風呂場みたい」「センスが安っぽい」と話題になり、依頼者の趣味を象徴するはずが、逆に視聴者の笑いを誘う結果となってしまいました。好意的な意図が裏目に出た、ちょっとした失敗例です。
5つ目の事例は「ナスカの地上絵」として知られる庭のリフォームです。依頼者の孫が描いた絵をもとに、庭に巨大なアートが作られましたが、そのデザインが偶然にもナスカの地上絵に似ているとして、ネットで大きな話題になりました。
このリフォームは依頼者にとって満足いくものでしたが、視聴者からは「バーベキューもできない庭にしてしまった」「無駄に広いだけで使いにくい」との声が上がり、賛否両論となりました。
最後に紹介するのは、全面ガラス張りの家。依頼者は明るく開放的な家を希望していましたが、匠が設計したのは、壁という壁がすべてガラスで作られた家でした。この家は外から中が丸見えで、バスルームもプライバシーが完全に解放されてしまう結果に。
視聴者からは「これは防犯上問題がある」「夏は蒸し風呂になるのでは?」といった声が多く上がり、ネット上で話題になりました。現在では、ほとんどカーテンが閉じられており、住んでいるかどうかも不明だと言われています。
リフォームや新築は、一生に一度の大きな買い物です。しかし、こうした事例を見ると、依頼者と施工者のコミュニケーションが不足していたり、デザインが過剰に重視されすぎることで、夢が悪夢に変わってしまうことがあるのだと痛感させられます。
今回の事例を教訓に、リフォームを依頼する際には慎重に進めていきたいものです。